株式会社Dental Blue Ocean 早川丸 歯科技工士/早川純です。
スマホで閲覧いただいてる方は画面を横向きにしていただけると見やすくなりますのでお願い致します。
さて、今までこちらの記事にてジルコニア/e.max/CADCAM冠といった被せ物のお話をしてきましたが今回はブレイクタイムです。
顎と歯の進化の話をしていきましょう。
まずは、顎のお話。
写真の顎の骨が何の生物の骨かわかるでしょうか?
サメと思われた方が多いのではないでしょうか?
答えは、お寿司やお刺身で多くの方が食べたことはあるヒラメです。
魚の大きさは5.5kgでしたが、人の顎よりも大きいです。
体の重さに対して、いかに顎が大きいか上の比較写真からもお分かりいただけると思います。
ヒラメは小さいアジなどの小魚を噛み付いて捕食するタイプの魚です。
魚の顎は複雑に進化しており、下顎は真ん中から大きさを変えられるように扇のように角度を変えられるようになっています。
上顎は、歯が生えている骨と土台の骨が分かれており、獲物を食べるときに形を変えて少しでも噛み付けるように進化しています。
一方、人は食事の時に顎の形を複雑に変えることは出来ません。
食事の時に、顎の大きさが変わったり/伸びたりする人がいたらホラー作品のように怖いですよね。
顎の進化に関しては、魚に軍配が上がると言えるでしょう。
では、歯の形はどうでしょうか?
先ほど、お話したようにヒラメは噛みつくために特化した形になっています。
しかし、形は前歯から奥歯まで大きく変化しません。
これが、ブリなど魚を吸い込んで捕食するタイプの魚になると歯の形がヤスリのような滑り止め効果のある形に変わります。
噛みつくタイプ/吸い込むタイプといった食性によってしか大きく歯の形は変わりません。
では、人の歯はどうでしょうか?
読んでいただいてる方も歯磨きは毎日されていて、ご自身の歯の形を見る機会は多いと思います。
人の歯は、前歯から奥歯にかけて役割により大きく形が変わります。
噛み切ること/噛み砕くこと/すり潰すことをバランス良く出来る歯の形になっています。
顎の進化では魚に軍配が上がりましたが、歯の進化では人の方が優れていると思います。
もしも、ご自身の歯もしくは治療した歯で良く噛めないという方がいる場合は、噛み合わせだけでなく歯の形態が良くないことも考えられます。
こういった進化の過程も含めて、歯の形態を考察する必要があると思います。
[その形態になったからには必ず、その理由があるはず]
人の体の一部を製作する責任とその奥深さ/自分が悩み、出した答えを患者様の体が受け入れて下さった時の感動は何事にも変えがたいと感じながら今日も歯を製作しています。
長くなりましたが、またこういった生物の進化や不思議についてお話しできたらと思います。
生き物の進化は本当に面白く、生き残るための執念すら感じます。
今まで興味のなかった方にも、興味を持っていただけたら幸いです。
株式会社Dental Blue Ocean 早川丸 歯科技工士/早川純