歯科技工士の早川純です。
今回は、歯の色の再現に関して少しお話ししていきたいと思います。
読まれている方は、ご自身の前歯をまじまじと観察した経験があるでしょうか?
失われた天然の歯を再現するためには、様々な歯の形や構造を理解することが大切です。
上記の写真のように前歯を拡大してみると内部の構造がよくわかります。
以前の記事【ただ見るのではなく、よく観る】2021/05/11でご紹介したようにもう少し、はっきりとわかるよう写真を加工してみましょう。
初めの写真よりも内部が見やすくなったかと思います。
日本人をはじめ、アジア人種に多いモンゴロイドの歯はよく観察すると歯の構造が繊細で柔らかい印象であることが多いと感じています。
こういった柔らかい印象を再現するためには、製作する歯にも柔らかな印象を与える透明感を持ったセラミックを選択して焼き付けていくことが重要です。
歯の先端部分には、適正な透明感になるようジルコニアフレームにセラミックを焼き付けています。
様々な価値観や考え方があると思いますが、ただ白いだけがセラミック治療ではないと考えています。
透明感を持った美しい前歯は上品な印象を与え、対話をはじめとした対人コミュニケーションにおいても自信を持つことに繋がると思います。
しかしながら、多くの歯科技工士は天然歯に勝るものはないと考えています。
数十年と人生を共に過ごす歯を製作することは、材料学的にも至難の技です。
ご自身の歯が健全ならば、その歯を守ることが一番価値があると思います。
最後になりますがセラミックの歯を製作していると、歯の再現に思い焦がれるあまり天然歯が夢に出てくることがあります笑
株式会社Dental Blue Ocean早川丸 早川純