臨床歯科補綴用語集よりイラスト一部抜粋/加工 筆者顔貌/模型使用
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今回の記事では、人間の顎と歯、食べ物を食べる動きについて
お話ししたいと思います。
少し、難しいお話になってしまうかもしれませんが、患者様にも分かるように
お伝えしたいと思いますのでよろしくお願いします。
人間の食べるという動作は、歯の形/歯の並びと顎の関節の形によって
決まります。
食べるという動作をする時に、人間の歯と顎はお互いを守るように
長い時間をかけて進化してきました。
このお互いを守るという関係が崩れると歯が壊れて噛めなくなる、または
顎が壊れて顎関節症になるといった症状が出てしまいます。
そこで、私たち歯科医療に携わる職業の人間は患者様が
なぜ歯科治療が必要な状況になってしまったのかを深く考察し、
審査診断をする必要があります。
歯科治療は、虫歯菌や歯周病菌といった細菌のコントロールと
かみ合わせや、歯の軸/運動といった力のコントロール
この二つのコントロールにより多くが成り立っています。
この細菌と力のコントロールが出来ていないと治療してもなかなか患者様の
状態が改善することはないと考えられます。
元々、食べにくい歯並びだったところにただ同じような被せ物を製作しても
良く噛めるようにすることは出来ません。
人間には、食べやすい歯の形/歯並び/顎の運動のルールがあります。
被せ物1本製作するにもルールを守らないと周りに悪影響が出てしまいます。
患者様が歯科治療を受診される時には、
もしも、現状噛みにくければ
(なぜ、噛めないのか?)を質問し、わかりやすく説明してくれるといった
患者様の(なぜ?)に向き合う歯科医院で治療されると良いと思います。
歯科技工士という職業は、
歯科医師の指示の元にただ歯を製作する仕事ではないと考えています。
歯の代わりを製作するためには、人の進化や構造の理解が必要不可欠です。
製作した被せ物が、24時間/365日患者様のお口に在る以上、
我々の仕事の責任は重く、患者様の人生をより
豊かにすることが出来なくてはならないと考えております。
一人でも多くの患者様の歯のお悩みがなくなることを願って。
株式会社Dental Blue Ocean早川丸 歯科技工士 早川純