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株式会社Dental Blue Ocean早川丸 歯科技工士/早川純です。
スマホでお読みの方は、画面を横向きにすると読みやすくなると思いますのでよろしくお願い致します。
本日は、CAD/CAM冠についてお話ししたいと思います。
今までは、被せ物を製作する際に全てを白い素材で作ろうとすると保険が適用されず、自由診療となっていました。
近年では、保険の範囲が拡張されて条件付きではありますが、全て白い材料の被せ物が保険適用になりました。
それが、CAD/CAM 冠でコンピューターにて設計/ミリング マシンと呼ばれる加工機にて削り出しを行なっています。
Computer-Aided-Design コンピューター支援設計/略してCAD
Computer-Aided-Manufacturing コンピューター支援生産/略してCAM
略称を合わせて、CAD/CAM冠です。
冠とは、被せ物=クラウンと歯科用語で呼ばれる形で、詰め物=インレー には適用されません。
材料は、レジン(歯科用プラスチック材料)にセラミックの微粒子を混ぜたハイブリッド素材なので、ハイブリッドレジンまたはハイブリッドセラミックと呼ばれています。
ここで、再び歯科業界のわかりにくいところで申し訳ないところですが、上記のように呼び方が統一されていません。
ハイブリッドセラミックとも頻繁に呼ばれますが、ベースはレジン材料(歯科用プラスチック)なので、イメージとしては強度の上がったレジン材料と考えていただきたいです。特徴はレジン材料に似ているので、セラミックという単語が付くと患者様にとってわかりにくいと考えています。
過去の記事にて紹介しましたオールセラミック素材のように、高温で焼き上げる瀬戸物のような製造工程などはありませんので、患者様が誤って認識しないよう注意していただきたいです。
続いて適用部位に関してですが、
76❺❹321|123❹❺67 小臼歯・・・上下顎とも糸切り歯の後ろ、第一大臼歯(一番大きい奥歯)の手前の2本適用
7❻54321|12345❻7 第一大臼歯・・・左右上下の第二大臼歯(第一大臼歯の奥の歯)同士が噛んでいること、また、強すぎるかみ合わせ状態にないことで適用
7654❸❷❶|❶❷❸4567 前歯部分 2020年9月より適用
大きく解説すると上記のようになりますが、患者様のお口の状況に左右されますので、治療される医院にて確認お願い致します。なお、まだ繋がった歯の治療(以前の記事 【ケース紹介ジルコニア】のようなブリッジケース)には適用できませんのでよろしくお願い致します。
次にメリットとデメリットもお伝えしなければなりません。
メリット
①保険適用なので、自費診療に比較して費用を抑えることが出来る。
②全て白い材料の歯(ハイブリッドレジン製)なので、従来の銀歯や硬質レジン前装冠(金属の土台の上にレジンを盛り付けた被せ物)よりも目立ちにくい。
デメリット
①白いがセラミックの歯ではないため、長期使用で吸水/着色してしまう。そのため、においの原因になることも考えられる。
②ハイブリッドレジンは、レジンに微細なセラミックを混ぜた材料なので状況により、噛み合う歯をヤスリの様にすり減らしてしまうのが早い。
といった点がそれぞれ挙げられます。
各種材料に長所と短所がありますので、治療を受ける際に把握しておくとより安心できると思います。
株式会社Dental Blue Ocean早川丸 歯科技工士/早川純