今回のケースでは、ジルコニア治療の紹介/解説を致します。
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治療部位は患者様にとって、上の左側の前歯から糸切り歯の隣までの4本です。
中間部分の2本の歯がない状態ですので、ブリッジという形態の治療になります。
7654321|❶②③❹567/上顎 患者様にとって左側1〜4
7654321|1234567/下顎
写真は順番に、上段左から治療前仮歯/作業模型上/口腔内セット当日/セット後1ヶ月の口腔内写真/口元写真となっております。
治療にはジルコニアと呼ばれる材料を選択して、使用しています。
ジルコニアは約1500℃で焼き上げる金属酸化物で、オールセラミック や人工ダイヤなど様々な呼ばれ方をしますが歯科治療に応用されるようになりました。
歯科業界ではセラミック治療の呼び方が統一されていないため、材料名/治療法/製品名が混同されていて患者様にとって、現状わかりにくいことを申し訳なく思っております。
後日、わかりやすく解説出来たらと考えています。
ジルコニアを歯科治療で扱う場合には、主に2種類の製造法に分かれます。
①ジルコニアの強度を活かし、着色して焼き上げるフルジルコニア
②見た目をより患者様本来の歯の色に近づけるために、ジルコニアの上にセラミックを何層にも焼き付けるジルコニアレイヤリング法の2種類です。
今回は、上記の①/着色のみで仕上げるケースでしたのでフルジルコニアブリッジとなります。
患者様がジルコニア治療を選択される場合は、特徴が異なりますので全てジルコニアから出来た被せ物なのか、それともジルコニアの上にセラミックを焼き付けた被せ物なのかを受診される歯科医院にて確認されてはいかがでしょうか?
歯科技工士が被せ物を製作する際には、
①患者様のお口の中でしっかり噛めて機能すること
②見た目にも違和感がなく馴染むことを心がけて製作いたします。
今回のようなブリッジケースでは、歯磨きはしやすいか/歯茎にはどのように触れさせて歯茎が下がるのを防ぐかといったことも特に考慮します。
被せ物の形が歯茎などの軟組織にとって良い状態の場合は、歯茎は下がろうとせずに被せ物に寄りそうように成長が見られることも多いです。
年齢により歯茎が下がることも考えられますが、被せ物をした歯の場合は形が合っていないことも考えられると思います。
患者様の体に受け入れられること=お口の中に馴染むことで長期間、使用できることが大切です。
また、患者様にとってはセットする時に調整が少ないことも重要です。医院にて長時間お口を開けていることは、大変なことだと思います。
今回のケースは、噛む面を少し調整したとのことですが無調整に近く、セット時間もかからなかったので患者様にも喜んでいただけたと担当歯科医師からご報告いただいております。
使用する患者様にも、セットする歯科医師にも喜ばれる被せ物が何よりだと考えております。
長文、お読みいただきありがとうございました。また、資料提供いただきました患者様/先生にこの場をお借りしてお礼申し上げます。
株式会社Dental Blue Ocean早川丸 歯科技工士/早川純
使用材料 ジルコニアディスク/株式会社松風 Zrルーセント スープラ
ステイン材料/クラレノリタケ株式会社 FCペーストステイン